アフターコロナとアート

雑記録

 アフターコロナという言葉が聞かれるようになりました。アフターコロナとは、これから起こるであろう不景気、産業構造の大きな転換、人々の衛生意識の変化とそこから生じる人、地域、国家、民族間の意識の変化などを示す言葉です。

 さて、コロナが表面上収束した後のアートはどうなるのか。私なりにいろいろ悩みました。医療従事者が奔走している間、アーティストは手をこまねいて見ているしかできません。アートは本当に必要なのでしょうか?

 かなり悩みました。私は平和の恩恵のおこぼれを受けて上積みだけをすすっている存在なのでしょうか。

 テレビで仏像のことを語っている番組がありました。要約すると、厄災にあらがうために平和を祈念して仏たちがつくられた、という内容でした。

「アートの根源は祈り」でしあることを思い出しました。それは美術史を見ても分かります。洞窟の壁画から古代の宗教画、仏画など、それらは全て制作者の強い祈りから生まれたものです。

 今回アップした写真は熊野古道を撮影したものです。熊野古道には遊歩道にあるような枕木のような階段はありません。千年もの間、歩いてきた人々によって少しずつ石が削られ古道の石は丸くなっています。平安時代の上皇から現代の我々までが何らかの祈りを抱きこの道を歩いてきたのです。先人たちもまた私たちと同じようにその時代の苦難に立ち向かい、自然を畏れ神仏として敬ってきたのです。

 私にできることはほとんどありません。石の丸みを撮って、人々の祈りを伝えるくらいのことだけです。しかし、それが私なりのアートであり、私の祈りであると考えています。

追伸 フォトグラファーの小野さんからバトンを貰いましたが、答えが出なかったので保留させて貰っていました。一応、これを回答にさせてもらいます。