「プロテクトフィルターはつけるべきか?」フィルターのお話し。

カメラ上達法

カメラを買った時にプロテクトフィルターの購入を勧められて、プロテクトフィルターをつけて撮影をしている人が多いと思います。プロテクトフォルターはつけるべきかという話しから、フィルターについての話しをしていきたいと思います。

こちらの記事では

プロテクトフィルターをつけるべきか

CPL(サーキュレーターPLフィルター)の使い方

ND(エヌディー)フィルターの選び方と使い方

フィルターの選び方、廉価品のフィルターを使うとどうなるか

について記述していきたいと思います。

プロテクトフィルターを使うべきか?

まず、プロテクトフィルターとは何か説明します。

プロテクトフィルターとはレンズの前玉(レンズの前方の表に見えているレンズ)を保護するためのフィルターです。

フィルターを選ぶ際は必ずレンズ径を確認して下さい。レンズの『Φ』のマークの後についている数字がレンズ直径です。それと同じフィルターを選びましょう。

広角レンズの場合、フィルターのフチが写ってしまう(ケラれる)ことがあります。薄手のタイプが便利です。

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<参照>マルミプロテクトフィルター

 https://www.marumi-filter.co.jp/product/lensprotect/

プロテクトフィルターの効果は

・前玉の小傷、拭き傷などを防ぐ

・油分や塩分などがレンズ前玉につくのを防ぐ

などです。カメラを落とした時にプロテクトフィルターだけが破損してレンズが助かったなどという方の話しも聞いたことはありますが、これは副次的な効果でしょう。ただ、時々聞きますので、有り得る話しだと思います。

しかし、私の場合

99%プロテクトフィルターは使いません

理由はレンズの性能を落とすからです。

レンズは光学性能を緻密に計算して作られたものです。そこにガラスを1枚プラスするのが画質に悪い影響を及ぼすことは理解できると思います。私はプロカメラマンですので、できる限り100%の写真を提供したいと考えています。ですので、1%でも良い写真を提供するということでもプロテクトフィルターは付けないのです。

では、フィルターを装着した写真としていない写真の差が分かるかと言えば、正直なところ「分かる時もあれば、分からない場合もある」です。写真講座の中で生徒さんの写真を見ていて何となくモヤっとして見える(解像度やコントラスト、発色が悪い これらに関しては別記事でまとめます)ことがあります。原因を探るために露出やカメラ本体、レンズの種類などを調べてみると、最終的にフィルターが原因だった場合が時々あります。

カメラ初心者でレンズを大切にしたいと思う気持ちはよく分かります。初心者の場合はプロテクトフィルターを装着して撮影して、思い入れの強い写真に関しては外すというスタイルでもいいと思います。

フィルターは写真の画質に直接影響するものです。データを後から加工して回復できるものではないのです。全ての種類のフィルターについて言えることは、信頼のおけるメーカのものを使用することです。また、必要に応じて使う(常用しない)と言うことです。私もかつてスポーツや幼稚園などの撮影をしたことがあります。パプニングで機材が壊れたとしても相手に修理代金を請求できない場合がほとんどです。そのような場合には多少高額でも信頼のおけるプロテクトフィルターを使用していました。

プロテクトフィルターを付けてはいけない場合

ただし、初心者であってもプロテクトフィルターを装着していると失敗する場合があります。

朝日、夕日を撮影する場合

花火を撮影する場合

です。

つまり、「直接光を撮影する場合」はプロテクトフィルターが写真に悪影響を及ぼすことが多くなります。

ゴースト・フレアの例
ゴースト・フレアの例 フィルターを付けたためゴースト・フレアが汚く入ってしまった例

この写真はほぼ真逆光で撮影されています。そのためレンズフレアやゴーストが強く発生しています。レンズフレアとは逆光などの時に発生する暗部へ光が漏れることによる現象です。霧状になったり粒状になったりしますが、特に円状のものをゴーストと呼びます。

フレア・ゴーストは写真に良い効果を与えることもありますが、画面を汚してしまうことが大半です。

フレア・ゴーストを発生しにくくするには

プロテクトフィルターを付けない

レンズフードをつける  レンズフードをつけると余計な光を遮るだけでなく、レンズがものに当たるなどの事故を防いでくれます。

極端な逆光撮影を避ける

最新設計のレンズ・特殊なレンズを使う 特にオールドレンズはフレア・ゴーストが発生し易いです。最新のレンズはレンズコートの技術が進歩していて逆光に強くなっています。     

  <参照>Nikon ナノクリスタルコートレンズは極度に光の透過率の高いレンズです。そのためゴースト・フレアの発生率が格段に減ります。  

 https://www.nikon-image.com/products/nikkor/about/technology.html#n

次は、プロテクトフィルター以外のフィルターについても説明していきたいと思います。

サーキュラーPLフィルターの効果

CPL(サーキュラーピーエル)フィルターはぜひ持っておきたいアイテムです。

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<参照>マルミ CPLフィルター

 https://www.marumi-filter.co.jp/filterabc/abcpl/

 <参照>ケンコー・トキナ CPLフィルター 

 https://www.kenko-tokina.co.jp/imaging/filter/pl/4961607452141.html

CPLフィルターは偏光フィルターと言われて、

水面、ガラスなどの反射をカットする役割

紅葉や青空などの発色を強調する役割

があります。

CPLフィルターなしの撮影
CPLフィルターありの撮影

上の2枚の写真を見比べてください。湖面の反射の違いに気づくと思います。どちらが良いかは写真の目指すものによって異なります。湖面の反射を効果的に撮影したいなら1枚目の写真です。一方、紅葉に注目させたいなら湖面の反射を抑えた2枚目の写真の方が効果的だと言えます。

私の経験上、光を反射することで悪影響を及ぼしやすいものは、水面やガラス面以外に

・瓦屋根

・椿の葉っぱなどの厚い葉

などです。これらはレタッチでは直し難いものです。サーキュラーPLフィルターはカメラバッグに常備しておくと良いアイテムです。

サーキュラーPLフィルターを使うもう一つの利点が紅葉や青空などの色を際立たせる効果です。

上の紅葉の写真はサーキュラーPLフィルターを用いたものです。

色がくっきりしているのがわかると思います。

サーキュラーPLフィルターの使い方

サーキュラーPLフィルターは2枚の偏光ガラスを組合せて作られています。使用するときはレンズ先端に装着して、前方のガラス部分を回転させて使用します。最初は回転させても変化に気づき難いかも知れません。慣れないうちは慌てず効果を確認しながら使用していきましょう。

次のコツを知っておくと効果がはっきりわかります。

・水面やガラス面に対して30〜40°の角度でレンズを向けたときにもっとも効果が出ます(逆に言うとガラス面などに90°の角度でレンズを向けると効果が出ません)。

・広角レンズを使うときは色のムラに注意しましょう。(太陽と90°の角度の部分が最も効果が出ます)

効果が最大限だとやりすぎ感が出てしまうことがあります

                                  

広角レンズで撮影したために空に色むらが生じてしまった写真 画面右側に太陽があります。

サーキュラーPLフィルターの効果が出すぎて青空が不自然になってしまった写真

NDフィルターの選び方・使い方

N Dフィルターの役目を一言で言うと「レンズのためのサングラス」になります。

使う場面は大きく分けて次の二つです。

①滝などの撮影で、日中に1秒以上で撮影しないとならない場面

 日中に1秒以上で撮影すると画面が真っ白になってしまいます。それを防ぐためにサングラスをつけるのだと考えてもらうといいと思います。

②明るいレンズ(F値の低いレンズ)で日中に最大ボカし(開放撮影)をしたい場面

 F1.4などのレンズで日中に撮影するとシャッター速度を1/4000 で撮影しても画面が白くなってしまいます。それを防ぐためにサングラスを装着するイメージです。

① と ② の場面では使うNDフィルターが異なります。NDフィルターには色の濃いもの(ほぼ黒に近いもの)とグレーのものがあります。それぞれNoがついていますので、選び方に注意しましょう。

①の場面  ND400〜800がおすすめです。

②の場面 ND4〜8がおすすめです。

ND400を使って撮影 シャッター速度は5秒です。

ND400を使った写真 シャッター速度は 4.0秒です。

ND400以上になるとファインダーを覗いても真っ黒に見えてフォーカス合わせが出来ない場合があります。そのような場合にはカメラを三脚に設置してまずマニュアルフォーカスでフォーカス合わせをしてから、NDフィルターをつけるといいです。

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フィルターの選び方・廉価品はやめよう!

フィルターはレンズに直接装着するものです。安心して使用するためにレンズメーカー製品か日本のフィルター製作メーカー品を使いましょう。

一度、中国製の廉価版を買ったことがありますが、ムラのため全く使えませんでした。また、フィルターに関しては中古品もやめておきましょう。フィルターのコーティングがはげている場合があります。

・マルミ

https://www.marumi-filter.co.jp

・ハクバ

https://www.hakubaphoto.jp/filter

・ケンコー トキナー

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